星 北斗(ホシ ホクト)公益財団法人星総合病院理事長インタビュー
日 時:平成26年1月17日(金)、午後2時~3時
場 所:星総合病院
レポーター:大橋 佳代、今井 淑子
1.認知症疾患医療センターは地域医療においてどのような役割を担っていますか?
認知症疾患医療センターでは、相談・診療を行うとともに、ご自宅の地域で診療を受けられる医療機関の紹介を行っています。認知症の診断は医学的な画像な どの診断だけでなく、日常生活の状況や病気が隠れている場合など、色々な側面から総合的に判断しなければなりません。ご本人や家族が認知症ではないかと不 安に思った時に、どこへ相談したらいいのかわからないのが現状です。
認知症に関する正しい知識を、医療従事者をはじめ一般の方々へ普及させていくことで、早期発見につながります。相談を受けるだけではなく、理解を深めるよう、研修会や、一般の方々への講習会も行っています。
2.認知症疾患医療センター利用者はどのくらいですか?
平成25年8月より運営を開始し、ひと月に外来で60名ほどの方が来院されています。以前から通院されていた方、ご家族、地域包括支援センターなど関係機関からの紹介などです。
3.地域リハビリテーション相談センターはいつできましたか。
平成22年です。
4.地域リハビリテーション相談センターの特徴はなんですか?
早期にリハビリを受けられる拠点として、専門のスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、メディカルソーシャルワーカー)が従事しており、患者さんやご家族の相談をお受けしています。
ご自宅の地域でリハビリを続けて受けられるようコーディネートし、リハビリを身近なものとして理解してもらうよう広めていくことを行っています。これま での福祉の発想・考え方を変え、より早い時期から介入して、患者さんが自らリハビリに取り組むスタイルを支援していくことで生活の質を向上させることが出 来るということを、多くの方に知らせること、「良くなるチャンスを生かしていく」ことを支援することが相談センターの役割だと思っています。
5.相談センターができてリハビリテーションにどのような効果がありましたか?
リハビリや介護を“受ける”というスタイルではなく、自ら“取り組む”というスタイルを支援することで、寝たきりを防ぐことができます。
実際に、以前より回復して自立できただけではなく、グループ活動をして色々な制作したものを施設に持っていったり、庭の草むしりをしたりと、地域のために活動することを生きがいに感じて、より元気に過ごされている方が増えています。
6.地域連携室の役割はどのようなものでしょうか。
この制度は平成元年に開始され、25年ほどの歴史があります。平成8年に福島県で初めて当院が役割を担うこととなりました。専門的な検査や治療が必要な 場合に、設備のある病院での治療が終わったら、ご自宅の地域のかかりつけ医で継続して治療・観察が受けられるようコーディネートすることです。
7.地域の関係機関との連携はどのようになっていますか?
地域の医療機関の先生方に登録医として参加していただき、お互いに連携し合います。
当院では、県内だけでなく県外からも含めて、ひと月に約700件の紹介がありますが、紹介された患者さんの経過を登録医の先生にフィードバックしながら進めていきます。お互いの信頼関係が大切です。
8.メグレズホールはどのような方々に利用されていますか?
メグレズホールは330の客席があります。
ひと月に、30団体、3,000人程度の利用者があり、主に、ボランティア活動・復興支援活動などの団体や中高生の吹奏楽部などの部活動、集会や学会などで利用されています。
「メグレズ」とは、北斗七星の真ん中の輝く星のことで、学問の神様ともいわれています。このホールを、市内の子供たちをはじめ地域の皆様の交流の場として、多くの方に利用して欲しいものです。
富岡町から、震災で保管できなくなってしまったグランドピアノ(スタインウェイ)もお預かりしていますので、ぜひピアノコンサートや発表会にも利用して頂きたい。