添田 明宏(そえた あきひろ) 株式会社福寿苑 代表取締役にインタビュー

添田 明宏(そえた あきひろ) 株式会社福寿苑 代表取締役にインタビュー

日 時:平成26年7月10日(金)、午後1時30分~2時30分
場 所:福寿苑
訪問者:今井淑子、大橋佳代

1.着物の世界に入った経緯を教えてください。

サラリーマンをしていた25歳の時、父親が始めた事業を一緒にやろうということでこの道に入ったのがきっかけです。母親がお茶をやっていたこともあり、子どもの頃から着物を着た母を見ておりましたので、その影響もあったと思います。

2.「福寿苑」についてご紹介ください。

福寿苑では全国各地から現在はもうほとんど造られていない30~80年前の歴史ある反物を扱っております。その数は1,500反以上の品揃えで、「世界一」だと思います。
着物は、長い歴史でつくってきた日本の誇れる文化です。日本に憧れてやってきた外国人観光客が成田空港に降り立った時に誰も着物を着ていないというのは淋しいものです。
また、世界の人々が集まる場所では、多くの国の人は自国の民族衣装を着ています。福寿苑では、日本人がパーティーの席で外国人に対抗できるフォーマルドレ スとして、「大人の振袖」をデザインしました。着物ドレスとして、ミスでもミセスでも袖の長い着物で、底の高い草履を履き、素敵に見せる装いです。着物の 個性溢れる柄と風合いは、個性を表現する素晴らしい物です。ぜひ、世界一の反物に触れて見てください。
また、古い着物を譲り受けたけど着ていない、保管も大変、でも捨てられないなどという着物の寄付も受け付けております。そんなときはぜひお声掛けください。

3.着物の無料貸し出しを始めたのはなぜですか。

平成18年、この場所で福寿苑を始めたばかりのとき、私は脳内出血で突然倒れ、半年の車いす生活を強いられることになってしまったのです。現在も右半身が 少し不自由なところがありますが、変わりなく仕事ができるまでになりました。倒れたときもそうですが、その後も社会復帰に向けて助けてくれた人たちがいた からです。そしてこの東日本大震災が起こり、助けられて生きている自分が本当に好きなもの、やりたいことが見えてきました。
着物というと、敷居の高いもののように思われがちです。値段が高くてお手入れも大変なのではないかと感じている方も多いのではないでしょうか。そんなイメージを捨てて、素晴らしい日本の伝統文化を若い人に伝承していきたい。そして着物を好きになって欲しい。
着物を着ている人を見かけると、つい綺麗だなと見てしまいますよね。特に着物を着ている子どもを見ると、まわりの大人が綺麗ね、可愛いねと褒めたくなる。子どもは着物っていいものだなと感じるわけです。
福寿苑では、気軽に触れてもらえるよう、カジュアルな普段着としての着物を無料で貸し出しています。もちろん着付けも致しますし、小物類もすべてです。体 一つで着替えることができますし、そのまま返却してくだされば結構です。まずは、着物を着る喜び、デザインで自分を表現する喜びをぜひご体感ください。

4.「和着愛々会」はどのような会ですか?

「わきあいあいかい」といって、まずは「気軽に着物を楽しもう!」という会です。昨年12月から『着物で出掛けよう』というイベントを月1回開催していま す。着物が好きな方、今まで着物に馴染みのなかった方も、みんなで一緒に着物を着て出掛けることで、自分が楽しんでほしい。これまでも、仙台・那須などに 出掛け、和気あいあいと楽しい時間を過ごしています。回を重ねるごとに参加者も増えてきています。まだ参加されたことの無い皆様もぜひご参加下さい。
他にも、「着付けの勉強会」やお箏の先生を招いての「お箏無料体験会」、また、イベントでの「ファッションショー」開催などの活動をしています。和着愛々 会で知り合った方々が、イベントやファッションショーでボランティアとして着付けを手伝ったり、皆さんで和気あいあいと盛り上げてくださっています。

5.オープンされるカフェについて教えて下さい。

短時間でも着物に親しみ、楽しめる場所と時間を提供したいと思っております。もちろん着物の無料レンタルを利用して楽しんでいただきたい。着物がお好きな方、着てみたい・触れてみたいと思っている方、どなたでも大歓迎です。
9月中のオープンを目指し準備中です。美味しくてボリュームがあり、600キロカロリー内に抑えた低カロリーなランチとドリンクなど、女性に喜んでもらえるメニューを考案中。オープンテラスのスペースもぜひお楽しみに!