渡部 佳奈子(わたなべ かなこ) 一般社団法人箏PLAN理事長 生田流筝曲福島正絃社郡山教室 佳寿美会会主にインタビュー
渡部 佳奈子(わたなべ かなこ)
一般社団法人箏PLAN理事長、生田流筝曲福島正絃社郡山教室 佳寿美会会主にインタビュー
日 時:平成26年7月4日(金)、午前10時~11時
場 所:さくらビル
訪問者:今井淑子、大橋佳代
1.一般社団法人箏PLANを法人登記された経緯は?
箏という楽器は、「音」ではなく「音色」として日本人の耳に馴染む特別な楽器だと思っています。箏に触れたことのない人も、箏の音色を聴くと「懐かしい」「癒される」と感じてくださいます。
箏PLANは、箏を用いた音楽療法サービスを提供し、高齢者福祉の発展、個人の尊厳を尊重する活動を行っています。「箏回想」として、箏の優しい音色や懐 かしい童謡や唱歌に合わせて自身の良い時代を想い、楽しかったこと嬉しかったことを存分に思い出すことで、喋り・歌い楽しい時間を過ごしていただき、人生 を振り返りここに生まれて生きて良かったと感じていただけるような活動をしています。
箏の音色をもっと広め、福祉に役立てていきたい。活動の幅を広げ、責任をもって取り組みたいという思いで法人登記をしました。
2.「佳寿美会」についてお聞かせ下さい。
お箏・三絃教室として、生田流筝曲福島正絃社郡山教室佳寿美会の会主を私の母が40年前から務めておりましたが、今年の1月、私が母の後を引き継ぐことに なりました。子どもの頃は引っ込み思案だった私を、前へ出て輝かせようと上手くバックアップし、見守ってくれていたのが母でした。
箏曲は、歴史をイメージした曲が多くとても奥が深い。それは私にとって小さな挑戦の連続でしたので、小さな頃の私にも、飽きずに続けてくることができたのだと思います。
3.「かすみッ子」はどのような活動をされているのですか?
佳寿美会の若手20~30代と、「かすみちゃん」と呼んでいる子どもたちだけでの演奏活動です。
箏をもっと若い人達に広めたいという思いと、その若手が子どもたちから見てちょっと上を目指す存在として身近にいてもらうといいな、という気持ちで一緒に活動を続けています。
「かすみッ子和ライブ」として定期的に演奏会を開催しておりますので、ぜひお気軽にいらしてください。
以前の演奏会で、まだ習って間もない子達もトトロの「さんぽ」という曲を演奏してくれたのですが、その一生懸命に弾く姿に、大変感動いたしました。聴いている皆さんの心に響く素晴らしい音色を奏でてくれました。
4.楽しかったこと、ご苦労されたことはありますか?
箏を通して得られるたくさんの人との出会いが、私の大切なものです。物心ついた頃にはもう箏に触れていましたが、それから歳を重ねてもずっと充実してきた ように感じています。 上に立つものとして悩むこともありますが、もともと前向きに捉える性格ですので、苦労と感じることはそれ程ありません。まわりの先輩方に相談させて頂くこ ともあります。
支えてくださる方々、日々の活動の中で出会う方々、皆さんに感謝する気持ちで過ごしています。
5.今後の活動について教えてください。
お箏の裾野を広げていきたい!
お箏というと敷居が高いと思われることもあるのですが、お箏や着物を貸し出して、小さいお子さんでも気軽に触れていただけるようにしております。お箏の教 室、箏回想の活動を続けていきながら、「箏回想学会」としての研究をしていきます。音色の研究・企画運営・箏回想士のライセンス発行など、更なる研究をし ていきたいです。箏回想士がたくさん育ち、箏回想演奏が各地で開催されたら嬉しいです。